節約術

銀行の店頭で勧められる投信は絶対買うな!その理由とは…

少額投資が可能で資産が少ない人でも始めやすい投資信託ですが、損したくないのなら銀行から購入するのだけはおすすめできません。

銀行はなぜ投資信託を勧めるのか、銀行から購入すると損する理由を解説します。

そもそも投資信託とは

まずは投資信託とは何かを簡単にご説明します。

投資信託は、投資家から集めたお金をまとめ、運用の専門家が複数の株式や債券などに投資して運用する金融商品のことです。運用の結果得られた利益は投資家に分配されます。

その名のとおり専門家に「託す」ため、運用の知識がなくても気軽に取り組みやすく、投資の中では初心者向きの商品です。

購入だけすれば定期的なチェック以外にほとんどすることはなく、基本的にほったらかしにできます。株やFXのようにチャートとにらめっこして一喜一憂する必要もないため、精神衛生上も悪影響がありません。

投資である以上は元本割れのリスクがありますが、積み立てなどを使って長期的に運用することができ、また複数の投資先に分散することでリスクを最小限に抑えられるメリットもあります。

近年は国もNISAやiDeCoといった非課税制度を充実させて投資の活用を推奨しています。月々1000円程度の少額から積み立て投資できるため、月100万円の貯金を目指す方は、まずは少額から試してみるとよいでしょう。

銀行で購入した投資信託の半数は損をするって本当?

今はいくら預金しても利息がほとんどつかない時代ですので、リスクをとりつつ資産を形成するという考え方が非常に大事になってきます。ただし、リスクは最小限に抑える必要があり、投資信託の場合は「どこで買うか」が重要な問題です。

2018年、銀行で販売される投資信託のうち約半数は損をしているという報道が世間をにぎわせました。これは投資信託を販売する金融機関に対し、金融庁が自主的な公表を求めた成果指標(共通KPI)で示された「運用損益別顧客比率」の数値によるものです。金融庁の資料によれば、評価損益でマイナスを抱えている顧客が46%もいるというのです。

もちろん、あくまでも自主的な公表をした金融機関が対象となっていることや、売却済の投資信託は対象外となっていることなどを踏まえると、「半数が損」という言葉だけを鵜呑みにすることはできません。しかし無視できないデータではあるため、銀行で投資信託を購入することは避けるべきです。

銀行はなぜ投資信託を勧めたがるのか

銀行は貸金業ですので、伝統的にお金を貸すときの金利で儲けを得てきました。

しかし近年は金利で儲けることができなくなっており、経営に大きな課題を抱えています。背景には、

  • 日銀のマイナス金利政策によって超低金利時代が続いたこと
  • 事業基盤となる総人口が減ったこと
  • 一般企業の資金需要が停滞していること

など、様々な要因があります。

しかし銀行は事業を存続させるために何かしらの方法で儲けをださなくてはなりません。そこで考えられたのが、投資信託や保険などの金融商品を販売し、その手数料で儲けることなのです。

当然ですが、銀行で働く営業マンは、自行で扱う金融商品を売るように指示されています。銀行によっては厳しいノルマを課されるケースもあるため、営業マンも必死です。

こうした事情から、銀行では投資信託の購入を強く勧められることがあるのです。

銀行で投資信託を購入すると損する理由

自行の利益のために投資信託を販売するといっても、それ自体はどの商売に関してもいえる話なので、銀行が投資信託を勧めること自体は納得いくかもしれません。

しかしそれは売る側の理屈。

買う側としては、投資信託は銀行で購入すると損する可能性が高いため、決しておすすめできるものではありません。

その理由をお伝えしましょう。

銀行が扱う投資信託の多くは、販売手数料や信託報酬(運用管理手数料)が高いものばかりです。販売手数料は、投資信託を販売する会社(つまり銀行)に入るお金です。信託報酬とは保有中の運用にかかるコストですが、その何割かは販売会社(つまり銀行)に入ります。

そして、販売手数料や信託報酬が高いからといって、運用成績がよいわけではありません。

たとえ運用成績がよかったとしても、販売手数料や信託報酬が高い分、わたしたちの手元に入るお金は減っていくため、いつになってもお金が貯まりません。

つまり銀行で販売されているのは、「顧客が儲かるかどうか」ではなく「自分たちやそのグループが儲かるかどうか」に着目した商品なのです。

また、銀行では次々と新しい商品を勧められます。前述のとおり、銀行は投資信託の販売手数料などで利益をだしています。

そのため、ひとつの商品を長く保有してもらうよりも、次々に新しい投資信託を購入してもらうほうが、メリットは大きくなります。すると、新しい商品がでるごとに「これはおすすめです」と積極的に勧めてきます。

今保有している投資信託に多少の儲けがでていれば「儲けがでているうちに売りましょう」といい、含み損を抱えていれば「損が少ないうちに手放して別の商品に変えましょう」といいます。どちらにしても、新たに商品を購入させたいのです。

しかし、投資信託は長期保有することに大きな意味がある商品です。短期的に売買を繰り返す投機的な手法をとると、多数の売買手数料を掠め取られてしまうどころか、景気の変動に大きく左右され、あっというまに損をだすことがあります。また、そもそも新しい商品は運用成績がまだ分からないため、リスクが高いといえます。

さらに、銀行員との知識量に差がある点も、損するリスクを増大させます。

銀行員は一般の人から見れば、普段からお金を扱うプロです。

そのため銀行員が勧める投資信託は、利益がでやすい優良なものばかりだと思うでしょう。

圧倒的な金融知識がある銀行員の言葉に対して疑問に思ったり、鋭く追及したりすることも難しいはずです。専門用語を並べられれば、「プロがいうのだから間違いない」と思ってしまいます。

こうして、勧められるがままに銀行で投資信託を購入し、利益がでないどころか損をして後悔することになるのです。

100万円貯金を目指す人が投資信託を選ぶポイント

100万円の貯金を目指す方は、限られた資金の中でコツコツと投資する必要があるため、できるだけリスクの少ない投資信託を選ぶことが大切です。

これまでの運用成績はもちろん大事ですが、手数料にも着目して選ぶことが大きなポイントになるでしょう。

販売手数料は購入したときにかかるコストですが、たとえば3%であれば、10万分の投資信託を購入すると3千円もとられてしまうため明らかに損です。

また信託報酬は販売手数料のように購入するときにだけかかるのではなく、保有している間、ずっと払い続けるものです。したがって安いのに越したことはありませんので、選ぶ際によく確認する必要があります。

もちろん、販売手数料や信託報酬が高くても、高いリターンを得られる商品はあります。しかしその分リスクも高いため、資産が少ない段階で手をだすべきではありません。

世の中で販売されている投資信託の中には、販売手数料が無料のものや、信託報酬が0.5%以下と低い商品も多くあります。自分で選べばそうした商品での運用が可能なのに、あえて銀行員が勧める商品を選択して損をする必要はないのです。

最近はネット証券を利用すれば、銀行よりも多くのラインナップの中から、手数料が低く運用成績もよい商品を選ぶことができます。ポイント投資が可能な会社も増えていますので、投資にかけるお金が一切ないという方はそちらを利用してもよいでしょう。

まとめ

銀行で勧められる投資信託は、あくまでも銀行が儲かるためのものであって、顧客であるわたしたちにとってよい商品ではありません。

同じ投資信託でも、銀行ではなくネット証券で購入するだけで販売手数料が無料といったこともよくありますので、100万円貯金を達成するためには銀行から買わないことが大切です。