1000万円もの貯金をするには、かなりの努力と工夫を継続し続ける必要があります。
そんな目標を見事達成しているのは、どのような人なのでしょうか。彼らの気になる職業や性格を見てみましょう。
この記事では、1000万円を貯めるコツもあわせてお伝えします。
職業別の平均貯蓄額をチェック
貯金の状況は、その人の職業によって差があります。「転職サービスdoda」が公表している「ビジネスパーソンの貯蓄事情2012」をもとに、その状況を詳しく見てみましょう。
数ある職業のなかで最も平均貯蓄額が多いのは、「投資銀行業務」の554万円という結果に。分布で見てみると、24%もの人が1000万円以上を貯めています。
なかでも多いのは、投資の知識を活かし、国債や為替の運用に取り組んでいるケース。
また、ボーナスなどのまとまったお金を得た際は、買い物や旅行ではなく「そのまま貯金に充てる」という人も多く存在していました。投資銀行業務の人がここまで多くの貯蓄をできるのは、お金を増やすための知識と、積極的に投資や貯金をしようとする意志があるからだと言えるでしょう。
2位以下の職業と平均貯蓄額は、「経営企画/事業企画」の512万円、「法務/知財」の490万円、「人事」の486万円、「総務・庶務」の477万円と続きます。
その貯蓄方法は、定期預金や会社の財形貯蓄制度を活用しているケースが多く見られました。「余ったお金を貯金する」「ただ口座に入れておく」といった方法ではなく、「毎月決まった金額を貯める」「貯金をしっかりと確保しておく」という傾向がうかがえますね。
その一方、最も貯蓄額が少ない職業は「映像クリエイター」という結果でした。その平均貯蓄額は74万円と、投資銀行業務のわずか13%ほど。貯金ができない理由としては、娯楽費の多さや貯金に関心がないことが挙げられました。
計画性のある人が有利
「職業によってここまで貯金額に差が出るのか…」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
しかし、1000万円を貯金できるのは限られた職業の人だけ…というわけではありません。
その人の性格によっては、職業に関わらず貯金をどんどん増やすことも可能なのです。
とはいえ、1000万円もの大金を短期間で貯めるのは、よほど高収入でないかぎり不可能に近いはず。
その目標を達成するには、焦らず無理のない貯金計画を立てることが大切です。
最後まで息切れしないペースのスケジュールを考え、それに沿って節約や家計の見直しをしなければなりません。
そう考えると、計画性のある人が貯金に有利だと言えるでしょう。
しかし、「一気に1000万円を貯めるぞ」「できるだけ毎月お金が残るようにするぞ」といった抽象的な目標だと、すぐに貯金のペースが崩れる、モチベーションが維持できないといった状況に陥りがち。
「1年間で100万円のペースで、10年かけて1000万円を目指そう」「先取り貯金で毎月3万円を別の口座に振り替えよう」といった具体的なスケジュールが望ましいでしょう。
そして、その計画がうまくいかないときは修正し、余裕がありそうならペースを上げるといった「状況を判断する力」も求められます。
計画を立てて最後まで成し遂げられるような「計画性のある人」こそ、1000万円を貯めることができるのでしょう。
「断る勇気がある人」は貯金できる
貯金をスムーズに進めるには、無駄な出費をできるだけ取り除く必要があります。
といっても、気分転換やストレス発散になる娯楽や趣味まで我慢しなければならない…というわけではありません。
自分にとってメリットのないイベントや誘いには参加せず、そのために費やすはずだったお金を貯金に充てるのです。
ときには、「いつも参加しているから」「欠席する言い訳がないから」という理由で仕方なく集まりに参加していることもあるでしょう。
そんなときは、当たり障りのない事情を伝えて断ってみては。そうすれば、お金だけでなく時間や労力も無駄になりません。
そのほかにも、体験教室に行ってイマイチだと感じたが強く勧誘されて入会した、店員さんが勧めてくる商品を押しに負けて買ってしまったといったケースも珍しくありません。
このように、日常の中には出費を伴う誘いが数多く潜んでいます。
自分が求めていないサービスや商品を「結構です」と断るのも、貯金をするうえでは大切なこと。
「2回に1回は断ることにする」「断りやすいパターンを用意しておく」など、あらかじめ心の準備をするのもいいですね。貯金額を増やせるだけでなく、空いた時間を投資の知識の獲得やスキルアップに活かすことができますよ。
1000万円を貯めるには
貯金に取り組む際は、「どうやったら支出を抑えられるか」「もっと節約しなければ」といった考えに偏りがち。
たしかに支出を減らすのも大切ですが、1000万円という目標に効率よく近づくには「どうすれば収入が増えるか」「貯金を増やすにはどうすべきか」と考えるのも重要です。
収入を増やすには、昇給や昇格を狙って給料を上げる、もしくは副業をして新たな収入源を見つける方法が挙げられます。
いずれにせよ、自分のスキルを磨いて活かしていかなければなりません。昇給や副業で求められている分野を分析し、新たな資格を取得する、専門知識を身に付けるといった取り組みを始めてみましょう。
今の職場では昇給が厳しいと感じたら、転職をするのも1つの選択肢です。業界によって平均年収に差があるため、収入のデータやの労働時間とのバランスを見ながら、自分の能力にあった会社を探してみましょう。
このようにして、出ていくお金を減らすだけでなく、入ってくるお金を増やす手段を考えてみてください。貯金のペースがさらにアップし、目標達成までの道のりが短縮されるはずですよ。
浪費家の人の貯金方法
収入が増えると、つい財布のひもが緩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、「昇格して給与が上がったが、そのぶん贅沢をして生活費が上がった」「ボーナスが入ったので散財してしまった」といったサイクルを繰り返していると、いつまで経っても貯金は増えないまま。そのような浪費家の方は、お金を使う前に貯めるよう心がけましょう。
たとえば、給料日にあわせて貯金用口座にお金を振り替える「自動振替サービス」を利用し、残ったお金を生活費としてみては。こうすると、毎月手元のお金を使い切ってしまっても、あらかじめ振り替えておいた分はしっかり確保できています。そのまま定期預金として手続きをすれば、つい気が緩んで貯金に手を付けてしまう心配もありません。
このように、意識だけでなくお金が貯まりやすい環境を整えてみてください。貯めるお金と使ってもいいお金を明確に分けておくと、ストレスなく貯金を増やせますよ。
まとめ
平均貯蓄額が最も高い「投資銀行業務」の人は平均554万円もの貯えがある一方、「映像クリエイター」は74万円ほど。両者の行動や意見を踏まえると、収入の差だけでなく「投資の知識」や「貯金への積極性」が貯金額に大きく影響しているようです。
また、職業だけでなく性格も貯金の状況に影響を与えています。
とはいえ、相手からの誘いを断れない人、ついお金を使い過ぎてしまう浪費家の人でも、1000万円を貯めることが不可能なわけではありません。
1000万円を貯めたいと考えている人は、収入を上げる挑戦に加え、貯金の計画を立てる、無駄な支出を抑えるといった取り組みを始めてみましょう。
- 年収の高い職業に就いている人は貯蓄しやすい傾向にある
- 浪費家より計画性の高い性格のほうが貯金しやすい
- 頑張っても貯まらないほど年収が低いなら、転職も視野に
- 消費性向がある人は自動振替の先取り貯金で貯めよう
- 収入の差だけでなく投資への知識や貯金への積極性が貯金額に大きく影響