自分のためにお金を使っていると、「これは無駄遣いではないか」と不安になることもあることがありますよね。
「自己投資」と思えば聞こえはいいものの、「浪費」であるなら削るべき出費だと考えられます。
両者の違いは一体どこにあるのでしょうか、この記事ではその見極め方と失敗を防ぐコツをお伝えします!
この記事の内容
「自己投資」は生活や仕事に役立つもの
まずは自己投資の前提として、「生活や仕事に役立つかどうか」が挙げられます。とくにイメージしやすいのは、仕事におけるスキルアップや資格の勉強でしょう。
語学を習得して仕事の幅を広げる、業務に関連する資格を習得する、本を読んで営業のコツを学ぶといった行動は、すべて自己投資であると判断できます。
たとえ今の仕事と直接関係のない分野でも、今後の転職や副業に役立つ内容なら問題ありません。
webデザイナーとしてフリーランスで働きたいから自宅で勉強する、より自分に合った業界に転職するために他の業界を知るなど、新たな分野への挑戦に伴う出費は自分への投資と言えるでしょう。
その一方、一見浪費に捉えられやすいのが生活面だけで役立つパターンです。美容院でトリートメントをする、歯医者で歯並びを矯正する、ヨガ教室に通う、スポーツジムで体を鍛えるなど、美容や健康のための行動は「贅沢」だと思われがち。
しかし、周囲に好印象を与える、美しく輝く自分を保つ、健康を維持できるといったメリットも多く得られます。そのため、仕事に直接関係がなくても、自分磨きとして役立つ出費と考えられるでしょう。
新たな知識が得られているかをもう一度チェック
なかには、ペン字講座や料理教室といった習いごとをしている人もいるのでは。
これも、自分の腕を磨くための自己投資のひとつ。このように、自分の未熟な部分を補う、上達するための出費は決して無駄ではありません。
しかし、ここで気を付けたいのが「新たな知識を得ているか」という点です。習いごとや資格取得などに取り組んだものの、結局そのあとは役に立っていない…というケースも珍しくありません。
字を練習したものの上達しない、料理のコツやレシピを学んでも活用する場がなく内容を忘れたといった結果では、ただの浪費に終わってしまいます。
すぐに辞めてしまった、教室に行かなくなってしまったという状況も同様です。
また、資格は「取得して満足」という状態に陥りがち。
せっかく資格を取得しても、取っただけの状態なら意味はありません。
それどころか、受験料や登録料、資格取得のために購入した書籍代などが無駄になってしまいます。
努力や費用が無駄にならないよう、習いごとや資格の勉強などを始める際は「目標と目的」をしっかりと決めておきたいですね。
「趣味」はあくまでも浪費だと考えよう
どんな趣味でも、続けていればそれなりの知識が身に付いていきます。
アクアリウムに取り組んでいるので飼育のコツを知っている、音響にこだわっているからオーディオ機器に詳しい、旅行ばかりしているので現地の情報を把握している…。このようなパターンは、知識が身に付いているものの、自分磨きになっているわけではありません。すべて趣味であると捉えられます。
趣味はストレス解消や気分転換に役立つ大切な存在ですが、あくまでも浪費に位置付けられます。
「勉強になっている面もあるから自己投資だ」と捉えていると、どうしても財布の紐が緩んでしまいがち。
趣味である自覚を持ち、物欲や収集欲にうまくブレーキをかけながら楽しみましょう。
行き過ぎた自己投資は浪費になりえる
自分の可能性を広げるための自己投資にかかるお金は、決して不要なものではありません。しかし、あまりにも行き過ぎた自己投資はかえって浪費になってしまいます。
たとえば、美容代は自分を美しくするために役立つ出費のはず。しかし、「もっと効果が出るかも」「あの新商品が気になる」といって高級化粧品や新商品に手を出してばかりだと、必要以上の費用が発生してしまいます。必要なものを必要な量だけ購入するのは問題ありませんが、それ以上は浪費となってしまうでしょう。
また、自己投資にこだわりすぎるのも注意が必要です。勉強のヤル気が出るからと高級文房具を買い揃える、料理の気分を上げるためにブランドの食器を集める、体を鍛えるために使い切れないほどのトレーニング用品を買うなどの行為をしている人も珍しくありません。最初は自己投資として始めたことが、どんどん加速して浪費になっているパターンです。
このような状態は本人が「これは自己投資だ」と捉えていることが多く、無駄遣いに気が付きにくい傾向があります。そこで、自分が取り組んでいる項目ごとに「いくらかかっているか」と控えておくのがおすすめ。書籍代、習いごとの入会費や月謝に加え、関連グッズや筆記用具にかかった費用などをすべて控えておくのです。
それを月ごとに集計すれば、「トータルでこんなにかかっていたなんて」と気が付くきっかけになるはず。これまで生活費としてまとめて家計簿に記録していた人も、「語学の勉強」「美容代」「資格取得」などの項目に分けて算出してみましょう。「語学の勉強にかけるのは月に1万円まで」「新しい化粧品を買うのは、今持っているものを使い切ってから」と、あらかじめ予算や自分のルールを決めておくのもいいですね。
「自己投資」の失敗が役立つこともある
ときには、自己投資が失敗に終わってしまうこともあるでしょう。
しかし、「無駄に終わってしまった」「最初からやるんじゃなかった」とネガティブになる必要はありません。一見すると失敗でも、そこから得たことが役に立つケースもあります。
転職を目指して医療事務の勉強をしたが途中で断念してしまった…という人は、自分がその分野に合っていないことが分かったはず。
自分は習いごとが続かないタイプだと分かった人は、自宅で学べる通信講座の方が向いているのかもしれません。やらなければよかった…と片付けるのではなく、そこで得たものを次に活かせるよう、失敗を見直してみましょう。
また、失敗の損失を最小限に抑えるための意識も大切です。飽きてきた、教室やジムなどをサボりがちになってきたと感じているのに、ダラダラと会費などを払い続けてはいませんか?自分のモチベーションが衰えてきたと感じたら、取り組みを一旦ストップするのも1つの選択肢です。
新たな書籍は買わずに持っているものだけで勉強する、習いごとは休会するなど、様子を見ておきましょう。新たな分野に興味がわいたときは、「長続きするか分からないから、まずは図書館で本を借りておこう」といった工夫をするのもおすすめですよ。
まとめ
「自己投資」と「浪費」の違いや判断に迷ったら、「生活や仕事に役立つかどうか」を基準に考えてみましょう。
自己投資にかかる費用を抑えすぎると、未来の自分の可能性を狭めてしまいます。これは将来の自分に役立つと感じたら、積極的に挑戦してみましょう。
とはいえ、自己投資ならいくらでもお金を費やしてもいいというわけではありません。
とくに形から入るタイプの人は、初期費用にお金をかけすぎてしまう傾向があります。まずは体験教室に参加する、図書館の本を利用するなど、本当に自分に合っているのかを見極めるところから始めてみましょう。
そのうえで「もっと本格的に取り組みたい」と感じたら、その分野における目標と目的を設定し、予算を決めてスタートしてくださいね。