保険に加入して何年もそのままの状態が続いている、自分がどんな保険に入っているのか把握していない…。そのような方は、いまの自分にあった保障内容になっていないかもしれません。
そこで、加入している保険を改めて見直してみましょう。その際のポイントを4つに絞ってお伝えします!乗り換えにおける注意点もあわせてご紹介します。
必要な保障がそろっているか
一口に保険と言っても、その内容はさまざま。
保険を見直す際は、まず自分たちが必要としている保障内容をリストアップしてみましょう。
「どういうときに備えて」「何に対する」「いくらぐらい」の保障なのかを基準に考えていきます。
子どもがいる家庭なら、「夫が働けなくなったとき」「両親のどちらかが亡くなった時」「子どもが大学に入学するとき」といったさまざまなパターンが考えられます。
その一方、独身の人は「自分が働けなくなったとき」「ケガや病気で入院したとき」などの保障が挙げられるでしょう。自分たちに必要な保障をイメージし、どんな保険に加入すべきなのかを見極めましょう。
必要な項目が定まったら、その内容を検討していきます。すでに保険に加入している方は、契約内容が分かる資料を手元に用意しておきましょう。
チェックすべきポイントは、いまの保険の「保障される金額と期間」。いまの保険が保障している金額や期間と、これから必要になる内容に差がないかを確認します。
足りない部分があるようなら、追加で加入する、もしくはさらに保障が手厚いプランに乗り換えるといった選択肢が挙げられます。反対に過剰な保障内容になっているのなら、解約や乗り換えを検討してみましょう。
保障が重複していないか
見直した結果、「必要な保障が一通りそろっているから問題なさそうだ」と感じた方もいるのでは。しかし、それぞれの保険の保障内容が重複している可能性もあります。
たとえば、夫名義で「家族全員がケガによる医療費が無制限でカバーできる」という保険に加入していたにもかかわらず、妻が個人で「ケガの際は100万円を上限に補償を受けられる」保険にも加入していたとしましょう。この場合、妻がケガをした際に適用される保険が2つ存在することになります。
しかし、2つの保険から満額の補償を受けられるわけではありません。損害保険は「実損を補償する」という目的のため、実損分を越える保険金はおりないよう定められているのです。そのため、このようなケースではどちらか一方の保険の保障は受けられないでしょう。そもそも、後者の補償内容は前者でカバーできているため不要だった、とも言い換えられます。このような補償内容の重複は、保険料の無駄になってしまいますね。
とくに自動車保険では、保険の重複が多くみられる傾向がいくつかあります。たとえば、補償の対象者が本人や配偶者、同居の親族、別居の未婚の子と幅広い「個人賠償責任補償特約」。自動車保険以外にも火災保険や傷害保険に付け加えることが可能なため、重複に気づかずに加入しているケースがあります。
このような状態を防ぐには、保険証券を見直すことが一番です。加入している保険の内容を見比べ、重複している項目がないかを確かめてみましょう。保障されている金額だけでなく、対象者の範囲もあわせて見ておくのがポイントです。
ただし、補償の重複を解消するために片方の保険を解約する場合、重複している項目以外の補償まで受けられなくなってしまいます。特約契約内容に含まれている補償をすべて踏まえたうえで、本当に解約すべきなのかを検討しましょう。特定の特約だけを解約する、一部解約をして保険料を抑えるといった手段もありますよ。
新しい商品の内容をチェック
保険は頻繁に新しい商品やサービスが登場し、内容も少しずつ変化しています。とくに生命保険は、毎年のように新商品が出ているジャンルのひとつ。医療の世界も常に進化しているため、今の状況に合ったプランかどうかを確認しておくことが大切です。
たとえば、最近では日帰りや1泊2日といった短期の入院が増えてきています。しかし、「短期間の入院は保障の対象外だった」というケースも珍しくありません。「手術になったのに、担当者から保障範囲外と言われた」というケースもあります。このような場合、過去に入った医療保険を見直していれば、今の医療や治療状況に合った保障を受けられた可能性があるでしょう。
さらに、全額自己負担となる先進医療にかかる費用をカバーできる保険も多く存在しています。先進医療を受けることになった場合、医療費がかなりの高額になるケースも少なくありません。金銭面を気にせず治療に専念できる状況にするためにも、このような保障内容も検討しておくといいでしょう。
また、保険会社によっては乳がんや子宮筋腫など女性特有の病気をカバーできる「女性向け医療プラン」や、他の人に損害を与えた際の賠償補償がついた「子ども向けプラン」を扱っているところもあります。加入した当時にはなかった保険に出会うこともあるので、今の生活や家族構成にあったプランを探してみましょう。
ただし、保険会社によって保険の内容はさまざま。すべての内容を把握したうえで比較するのは非常に困難なため、代理店や保険窓口に相談するのがおすすめです。的確なアドバイスをもらうためにも、保険証券や家計簿などを持参しておくといいでしょう。
乗り換えの際の注意点も
保険を見直した結果、「別のプランや会社に乗り換えたほうがいい」という結論に至ることもあるでしょう。しかし、安易に乗り換えると損をしてしまうリスクもあります。
とくに気をつけておきたいのは、終身保険に加入していたケース。解約することで解約返戻金が発生するものの、タイミングによっては想像を下回る金額しか帰ってこないことも珍しくありません。加入して間もない場合は、解約返戻金が戻ってこないこともあります。貯蓄目的で加入していた方は、解約返戻金の金額を担当者に確認しておくと安心でしょう。
また、新しく保険を契約する際は、保険会社に対する「告知義務」が発生します。今の健康状態やこれまでの病歴を告知しなければならず、内容によっては加入を断られる人も。加入できたとしても、保険料が通常より割増しになる、保障内容が限定されるといったケースもあります。契約前の疾病に関するものは、保障の対象外になる可能性もあるでしょう。
さらに、がん保険などは「保障が適用されるのは契約から90日後から」といった決まりもあります。その期間内にがんが発見された場合は保障が受けられないため、注意が必要です。
「以前まで加入していた保険の方がいい条件だった」と後悔しないためにも、よりよい保険を見つけた段階ではなく、その契約が成立してから乗り換えたほうがいいでしょう。がん保険の場合は保障されない空白期間が発生しないよう、あえて解約期間をずらしておくのも1つの方法ですよ。
まとめ
毎月当たり前のように払っている保険料も、見直せば大きな節約ができる可能性があります。
「必要なものにだけ入っている」と思っていても、保障の重複やよりよいプランの登場に気が付いていないかもしれません。代理店などでプロの意見を参考にしながら、定期的に保険の状況を見直しておきましょう。
ただし、解約や乗り換えにはリスクも伴います。解約返戻金や告知義務の存在を踏まえ、「本当にお得かどうか」を確かめてから決断しましょう。