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サブスクリプションとは?
サブスクリプションとは、定期購読や定額課金制を意味する言葉で、近年多く見られているビジネスモデルのひとつです。略して「サブスク」とも呼ばれています。
サブスクリプションは、企業が商品やサービスを売る際に「1回売って終わり」ではなく「毎月の課金によって利用させる」ことで、継続的に利益を得る仕組みです。また、企業側が単なる定額課金制と区別し、顧客満足度により踏み込んだ販売方式をサブスクリプションと呼ぶ場合はあります。利用者の立場としては、両者はほぼ同じものだと思っておけばよいでしょう。
サブスクリプションと聞くと耳慣れない方がいるかもしれませんが、定額課金制は以前からさまざまな業界で利用されてきました。たとえば、スポーツジムの月会費、新聞の購読料、化粧品やサプリの定期購入、有料メルマガなどが挙げられます。最近では、動画配信サービスの見放題や、洋服の借り放題、飲食店の通い放題など、新しい業界での事例が増えてきています。
サブスクリプションでお金が無駄になる理由
サブスクリプションは利用者にとって一見お得で便利に感じられます。支払いが主に月額で発生するため買い切りと比較すれば価格が低く、利用のたびに支払う手間がないことなどが原因です。しかし、サブスクリプションはお金を無駄にするリスクが高いものです。サブスクリプションでお金が無駄になる理由は大きくわけて2つあります。
ひとつは、知らない間にお金を使いやすい点にあります。サブスクリプションの月額料金は多くが気軽に始められる価格設定なので、利用開始のハードルをぐっと下げます。買い切りであれば今あるお金や商品価値についてよく考えてから「買う」「買わない」が判断できるのですが、月額料金が安いため、いとも簡単に加入することになります。
また、一度契約すればあとは自動で料金が引き落とされるため、支払いの都度「これは本当に必要なものか」を考えることがありません。つまり、サブスクリプションは利用者から「お金を使うべきかどうか」を考える機会を奪い、「気づいたらお金を使っている」状態に陥らせやすいものなのです。
サブスクリプションでお金を無駄にするもうひとつの理由は、使わない月にも支払いが発生する点にあります。サブスクリプションは契約すると利用の頻度にかかわらず決まったお金を払うことになるため、使わない月に支払ったお金は完全に無駄になります。かろうじて1〜2回使ったとしても、支払った料金の割に合わないことは多分にあるでしょう。
解約の手間がかかることで、「あとで解約しよう」と思って忘れていたり、「もう少し様子を見てから解約しよう」とズルズルと利用したりします。こうして、結局「使っていないのに支払いが発生する」状態が長引き、お金を無駄にすることになります。そして実際、サブスクリプションを利用している人の中には、使わない月が頻繁に発生する人や、それほど使わない人が大勢います。
「無駄」か「必要」かを見極める方法
人によっては、これは絶対に必要だと感じているサブスクリプションサービスがあるかもしれません。そこで、本当に無駄なのか、確実に必要なのかを見極めることが大切です。
まず、今使っていないもの、これは間違いなく無駄です。気が向いたときに使うものでも、月に1回も使わない月があるのなら、今使っていないのと同じことです。
次に、料金以上の価値を得ているのかを確認します。一番の目安になるのは利用回数です。サブスクリプションでお得になるのは、ヘビーユーザーだけです。「自分はヘビーユーザーと呼べるのか」を問いかけてみると、多くのサブスクリプションは解約するべきだと気づくでしょう。
それでもよくわからない場合は、「月額料金÷月の利用回数」で計算してみると、1回あたりの単価がわかります。その単価で買い切り商品だったとして、果たして購入するのかをイメージするとよいでしょう。1回あたりの満足度と単価を照らし合わせ、少しでも高いと感じたならそのサブスクリプションは今すぐ解約するべきです。
無駄なサブスクリプションをなくす方法
少しでも早く100万円貯金を達成するためには、無駄なサブスクリプションをなくす必要があります。
まずは今契約しているサブスクリプションをすべてリストアップし、月額と年額のそれぞれの合計を計算します。その金額を見ただけでぞっとして解約しようと思う方は多いはずです。そうでなくても、「解約した分をすべて貯金に回せたら年間いくら貯まるだろう」とワクワクしながら考えると、解約しようという気になりやすいでしょう。
代替案を検討するのもよい方法です。たとえばスポーツジムを退会し、代わりにウォーキングシューズを1足買って毎日歩くとか、ヨガマットを1枚買ってヨガを習慣にするとかすれば、十分に健康や美容は保てるでしょう。毎月5,000円の会費をジムに払うと1年で6万円かかりますが、シューズやヨガマットを購入してもたくさんおつりがでます。
また、一部のサブスクリプションは一定の範囲まで無料で楽しめるものがありますので、無料であれば利用すると自分でルールを作るのもよいでしょう。お金をかけなくても趣味を楽しむことは十分に可能です。
ここまでの方法を使えば、どのサブスクリプションを解約するべきか見えてくるはずなので、無駄なものは解約します。解約のタイミングは「今」です。「あと少し続けたほうがお得」と思って先延ばしにしても意味がありません。そもそもこれまで使っていなかったのですし、解約を忘れるリスクのほうが高いため、今すぐ手続きしましょう。
解約したサブスクリプションを貯金へ回そう
貯金を成功させる基本中の基本のポイントとして、固定費の見直しがあります。固定費は毎月定期的に発生する出費なので、一度見直しするとその効果が継続するからです。そしてサブスクリプションは家計管理においては固定費にあたります。つまり、100万円の貯金を目指している方にとってサブスクリプションは真っ先に見直すべきポイントになるというわけです。
せっかくサブスクリプションを解約しても、その分を別の支出に回しては意味がありません。節約に成功した分は、まるまる貯金へ回しましょう。解約したサブスクリプションの料金を、そのまま会社の財形や、銀行の自動引き落としサービスに設定し、先に貯金する仕組みを作るのもひとつの方法です。
すると、これまで気づかない間に払っていた月額料金が、そのまま気づかない間に貯まる仕組みが出来上がります。たとえば、毎月トータルで1万円をサブスクリプションに払っていた人でも、解約して先取り貯金に回すだけで、無理なく年間12万円の貯金ができます。ほかの貯金方法と組み合わせれば、100万円の貯金成功に大きく近づくでしょう。
まとめ
気軽に利用できて支払いの手間が発生しないサブスクリプションは、ひとつは小さな額でも、長い目で見るとお金をたくさん無駄にするリスクがあるものです。企業にとって都合よくできているサービスなので、利用者は本当に必要なものなのかをよく見極めなくてはなりません。代替案や無料サービスの利用も検討しつつ無駄なサブスクリプションを解約すれば、知らない間にお金がどんどん貯まるでしょう。100万円貯金の第一歩としてぜひ考えてみてください。