貯金が苦手な方でもコツコツと貯められる積立定期預金。
名前を聞いたことはあっても、定期預金とはどう違うのか、どんなやり方なのか分からない点も多いものです。
ここでは、積立定期預金とは何か、始めるときのポイントや定期預金との違いについて解説します。
積立定期預金とは
積立定期預金とは、毎月決まった日に定額の積立を行い、目標額の達成を目指す預金方法を指します。
多くの金融機関で取扱があり、「積立式定期預金」や「自動つみたて定期預金」など商品名はさまざまですが、基本的な仕組みは同じです。
積立定期預金は、最初に積立日や金額を設定すると、後は自動的に積立することになるため、強制的に貯金を行うことになります。
そのため「毎月給与を使い果たしてしまい貯金に回せない」「うっかりして口座への入金を忘れがち」という貯金が苦手な方でも、しっかりと予定通り貯金額が増えていきます。
また、普通預金よりも金利が高い、投資とは異なり元本割れのリスクがない、目標に向かってコツコツと貯めやすいなど、多くのメリットがあります。
「定期預金」と聞くと、ある程度まとまった資金がある方や、生活に余裕がある人にしかできないとイメージされる方は多いでしょう。
しかし積立定期預金は500円や1,000円などのごく少額から始められます。金融機関にもよりますが、臨時収入が入った月やボーナス月など、余裕の度合いに応じて随時入金や増額設定することも可能です。
- 積立定期預金とは、毎月決まった日に定額の積立を行い、目標額の達成を目指す預金方法
- 金利も普通預金より若干高い
- 少額から始められる
積立定期預金と定期預金はどこが違う?
積立定期預金と定期預金は何が違うのかと疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。
2つの預金方法は普通預金よりも金利面で優遇されている点で共通していますが、いくつかの違いがあります。以下、主な違いをご説明します。
1つめの違いは、手軽に始めやすいかどうかにあります。定期預金は、まとまったお金を一度に預け、満期になるまで運用してもらう方法です。
基本的には今すぐ使わない余剰資金を預けることになるため、現時点で資金がない方には向いていません。
特に、これから100万円の貯金を目指そうとしている方がいきなり定期預金を始めるのはハードルが高いでしょう。
一方、積立定期預金は積立する金額を自分で指定し、気長にコツコツと貯めていく方法です。
したがって、まだ定期預金に預けるようなまとまったお金がない方でも手軽に始められます。
給与が少なくて貯金に回す余裕がないという方であっても、少額の設定が可能なので始めるハードルはかなり低いといえます。
「自分には貯金なんて無理」と思っている方でも、毎月1,000円や2,000円の積立ならそれほど無理なく始められるのではないでしょうか。
2つめの違いは、満期の設定や引き出しの自由度にあります。定期預金では通常、数か月から数年という決められた期間の中から満期日を選び、原則として中途解約はできません。
やむをえず解約する場合は中途解約利率が適用されるため、当初の利率よりも下がってしまいます。
せっかく普通預金よりも金利が高い定期預金に預けたのに、あまり意味がなかったということも起こります。
一方、積立定期預金は、一定の範囲内でとりまとめ日や目標日の自由な設定が可能です。
結婚資金や車の購入など、いつまでにいくら貯めたいという目標がある方はマネープランが立てやすいでしょう。
中には満期日を決めずに積立できる金融機関もあり、解約や一部引き出しも可能なので、いざというときにも安心です。
自分のペースで貯金がしやすいのは大きなメリットです。
- 定期預金は、まとまったお金を一度に預け、満期になるまで運用してもらう
- 積立定期預金は積立する金額を自分で指定し、気長にコツコツと貯めていく方法
口座を選ぶ
積立定期預金のやり方は簡単です。
最初にどの金融機関で口座を開設するのかを選び、満期日や金額の設定をするだけです。後は自動的に指定の口座から引き落としされるため、ほったらかしで貯金が増えていきます。
口座を選ぶときのポイントとしては、まずは金利が挙げられます。
金利は金融機関によって大きく異なるため、できるだけ高い金利で預けられる金融機関を選ぶと、当然、貯金額は増えることになります。
一般的に、メガバンクよりもネット銀行のほうが金利は高いケースは多いです。
ネット銀行は店舗運営や人件費などのコストを抑えられる分、金利面で優遇されやすいからです。
ただし通常は金利が低めの金融機関でも、時期によっては金利優遇のキャンペーンを実施していることがあるので、そのタイミングで始めてみるのも方法です。
自分にあった設定ができるかどうかも大切なポイントです。
積立期間はどの範囲で設定できるのか、あるいは期間を定めずに積立したいのかによって、最適な金融機関は変わります。
たとえば仕事が忙しくて平日になかなか時間が取れない方は、24時間いつでも申し込みや金額の変更などができるネット銀行が向いています。
一方、手続きにある程度の時間が取れるのなら、給与の振込先を指定している金融機関を選ぶほうが手っ取り早いという考え方もあります。
金利だけを気にしてなかなか始めないよりも、少しでも早く始めるほうが貯金は増えていきます。
さらに、ほかのサービスにも着目してみましょう。ポイントが付与される、ATM手数料や振込手数料が無料、同じ系列のサービスと紐づけることでポイント還元率がアップするなど、各金融機関でいろいろなサービスがあります。
金額を決める
積立定期預金として設定する金額は、無理のない範囲にすることをおすすめします。
最初は「よし、貯めよう」と気合が入り、ギリギリの金額を設定してしまいがちです。
しかし生活が苦しくなってその都度貯金を崩すと計画的に貯められず、自信もなくなって貯金自体をやめてしまう事態になりかねません。
毎月の貯金額は、一人暮らしの方であれば手取り収入の2割、実家暮らしの方であれば4割が理想です。
しかしそもそも収入額が低い場合は難しいこともあるので、理想の割合を厳格に守る必要はありません。まずは1割を目安に始めてみてはいかがでしょうか。
5,000円や1万円など、ご自身が始めやすい金額を指定しても構いません。
少額でもよいから定期的に積立することで、コツコツと貯める感覚をつかみ、自分にも貯金ができるという自信につながります。
その後に金額を少しずつ増やしていけば貯金のスピードが上がっていくでしょう。
たとえば職場に昇給制度がある方は、昇給のタイミングで積立額を増やすのもおすすめです。生活水準はこれまでと変わらず、貯金だけが増えるのでよい方法です。
ただし、ボーナスがある方の場合、ボーナスだけは少し多めに設定するとよいでしょう。
生活費は毎月の給与でやりくりし、ボーナスは余剰金と位置づけたうえで積立すると、100万円貯金達成までのスピードがアップします。ボーナスの半分は積立できるのが理想です。
積立日を決める
最後に、積立日を決めます。積立日は金融機関によって、複数の積立日から選ぶ場合と、自分の自由な日に設定できる場合とがあります。
ポイントとしては、ご自身の給与が振り込まれる日の直後に指定することです。そうすれば給与を使い切ってしまう前にしっかり先取りで貯金ができますし、引き落とし口座の残高不足で積立できないという事態も避けられます。
複数の積立日から選ぶ場合は、給与振込日からもっとも近い日に設定しましょう。
積立定期預金で引き落としされた後は、残ったお金でやりくりすれば大丈夫です。
あまり意識しなくても自然と貯金ができているため、気づいたときにはまとまった金額になっていて嬉しい気持ちになるでしょう。
- 口座を選ぶ(利回りが高いネットバンクがおすすめ)
- 継続できる積立金額を設定する
- 積立日を決める(給料日の直後がおすすめ)
まとめ
積立定期預金は、少額から始められ、目標に向かってコツコツと貯められるよい貯金方法です。
最初の設定だけすれば後はほったらかしで済むため、その都度手続きする必要がありません。
投資のようなリスクもなく確実性が高いため、100万円を貯金したい方にはおすすめの方法だといえるでしょう。
貯金がゼロの方や、貯金が苦手な方でも成功しやすいので、まずは無理のない範囲で積立定期預金を始めてみてはいかがでしょうか。