貯金

いまさら聞けない定期預金の仕組み・メリット・デメリットを徹底解説!

定番の貯金方法として知られる定期預金。

さまざまな貯金方法が増えてきた中で、いまさら定期預金の仕組みを聞けない方も多いでしょう。

定期預金は効率よく貯められる方法なのかも気になるはずです。定期預金の基本的な仕組みやメリット、デメリットをご紹介します。

定期預金はどんな仕組み?

定期預金とは、一定期間まとまった金額を預け入れることを条件に、高い金利が適用される金融商品を指します。

満期になると利息から20.315%の税金を引かれた分が預金者の手元に入ることになります。

預入や解約(満期の場合)に手数料がかかることはなく、元本が必ず戻ってくる安全な預金方法です。

「絶対に一定額ここからは引き落とさない!」という貯蓄口座がある場合は、積立定期預金もおすすめです。

預入可能な金額は一般的に50万円からが多いですが、中には10万円から預金できる金融機関もあります。定期預金の預入期間は、金融機関によって異なります。

1ヵ月〜10年程度が中心ですが、ネット銀行を中心に1週間や2週間など超短期を選べる場合もあります。

一般的には、長く預けるほど金利が高くなります。

定期預金の金利

定期預金は基本的に固定金利です。

この点は、多くのケースで変動金利が適用される普通預金と異なります。

固定金利では、預入のときから満期まで同じ金利が適用されます。金利の上昇局面においては得することはできませんが、代わりに下降局面でも金利が下がりません。

満期までにいくらの利息を得られるのかを予測することができ、金利の変動に左右されませんので、精神的な安定感も得られるでしょう。

一部の金融機関では変動金利の定期預金も用意されています。変動金利では、金融情勢に応じて、一般的には半年ごとに金利の見直しが行われます。金利の上昇局面では金利が上がりますが、下降局面は金利が下がってしまうため、変動によるリスクがあるということです。

リスクを低くするためには、預入期間を短く設定する、金利タイプが異なる口座に分散するなどの対策も必要になります。

また、金利には単利と複利があります。単利とは、元本にのみ利息がつく方法です。複利とは、元本についた利息を再び元本に組み入れ、利息を計算する方法です。当然、複利のほうが雪だるま式に利息が増えていくため、選べるのなら複利を選ぶほうがお得です。

ただし、定期預金では3年以上の預入期間で複利になる商品が多いため、短期で預けたい方は基本的に単利になります。とはいえマイナス金利の影響もあり、複利といってもわずかな増額にとどまるため、単利でもさほど気にすることはないでしょう。

満期時の取扱いは?

定期預金が満期になったときの取扱いには、自動解約と自動継続の2つがあります。さらに自動継続には元利継続と元金継続の2つがあります。

自動解約とは、その名のとおり満期が到来すると自動的に解約となる方法です。元本と利息が普通預金に入金され、定期預金はそこで終了します。

自動継続(元利継続)は、元本と利息を新たな元本として再び定期預金を継続する方法です。先ほどご紹介した複利の効果が得られますので、まとまったお金を1円でも増やしたい方に利用されます。

自動継続(元金継続)は、元本を再び定期預金として預ける方法です。利息のみ普通預金に入金されるので、定期預金は継続したいけど利息だけはその都度受け取りたい方に向いています。

定期預金のメリット

まず挙げられるメリットは、普通預金と比べて金利が高い点です。

昨今の金利事情を見ると、普通預金の場合、大手銀行や地方銀行では0.001%、ネット銀行では0.01%〜0.02%が一般的です。

一方、定期預金の場合、大手や地銀は0.01%、ネット銀行だと0.05%〜0.20%が目安です。最大で200倍近く違うことがわかります。

単純に金利だけを見れば、普通預金に入れておくよりメリットが大きくなるでしょう。基本的にネット銀行のほうが高金利ですが、ボーナスの時期になると金利アップキャンペーンを実施する金融機関もあるので、ボーナスのタイミングで探せばまた異なります。

リスクが極めて低い点もメリットです。定期預金は元本を割ることがありませんので、株やFX、投資信託などの投資商品と比べて格段にリスクが低くなります。

投資をすると経済情勢が気になって仕方がないという方は、安心、安全の定期預金は大きなメリットがあるでしょう。

預けた銀行が破たんするリスクはありますが、定期預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象になるため、元本1000万円とその利息等が保護されます。

そのほかにも、マル優制度(障害者手帳をお持ちの方や遺族年金を受給の方に適用される非課税制度)が利用できる、キャンペーンでお米や粗品がもらえることがあるなどのメリットもあります。

定期預金のデメリット

大きなデメリットは、解約や引き出しに縛りがある点です。

定期預金は満期まで預けることを前提とした金利が適用されるため、途中で簡単に解約できません。1年満期なら1年間、10年満期なら10年間は引き出すことができないのです。

解約できる場合でも、利率が下がってしまうため定期預金にした意味がありません。決済機能もありませんので、公共料金やクレジットカードの引き落とし口座としての利用もできません。

また普通預金の残高不足が起きた場合に定期預金からの自動融資ができる仕組みがありますが、事実上は銀行からの借入になるため、利息を支払わなくてはなりません。この場合には定期預金にもかかわらず元本がマイナスになってしまう恐れもあります。

こうした事情から、今すぐには使わないお金を定期預金に回すのが大原則です。

簡単に引き出しできないため、当面の生活費や、病気・ケガなど万が一の事態に対応できる程度の現金は、普通預金へ残しておかなくてはなりません。

リターンが少ない点もデメリットでしょう。

普通預金よりも金利が高く、リスクが低いといっても、残念ながら今は超低金利時代です。たとえば定期預金で0.20%の金利が適用される場合、100万円を預けても2,000円の利息です。

親や親せきから「バブルの頃は利息だけで旅行に行けた」と聞いたことがあるかもしれませんが、当時の定期預金は金利が6%〜8%ほどあったからです。

年金制度にも不安がある今となっては、投資も含めたほかの運用もあわせて検討することが大切になるでしょう。

定期預金は無駄?

リターンが少ないというデメリットがあるため、定期預金は意味がないと考える方も多いでしょう。

大前提として、そもそもまとまった余裕資金がなければ定期預金に預けることはできませんので、貯金がゼロの方や少ない方は、現時点で定期預金は選択肢にはないと思っておきましょう。

まずは、いざというときのためにすぐに引き出しできる普通預金を中心に貯金を増やすことが先決です。最近では、ネット銀行の普通預金を選び、同系列のサービスと紐づけるなどの工夫をすれば、大手銀行の定期預金よりも高い金利が適用されるケースが増えています。

一方、ある程度貯金が増えてきており、100万円貯金も見えてきた方は、安全な預金方法という点で検討の余地があります。手を付けていないお金を普通預金に入れておくよりは金利面で有利になり、貯金額も増えるでしょう。

何より、解約手続きを踏むときの「面倒」や「金利のペナルティ」が抑止力になり、強制的に貯金できるという意味では大きなメリットになります。

欲しいものがあるとすぐに買ってしまう傾向にある方でも、普通預金のようにすぐにお金を引き出せないため、「仕方がないから我慢しよう」と思い、貯金を続けることができるでしょう。

ただし、経済の先行きが不透明な時代ですので、長期の定期預金はおすすめできません。長くても1年以内がよいのではないでしょうか。

とりあえずどのような感じか知りたいという方は、2週間〜1ヵ月程度の短期で、かつ最低預入額から試してみてもよいでしょう。

まとめ

定期預金は元本割れのリスクがなく、資産を安全に守る方法です。

簡単に解約できないというデメリットを逆手にとり、定期預金で強制的に貯金をするのもひとつの選択肢でしょう。

ただしリターンが少ないため、定期預金で効率的に資産を増やすことは難しくなります。

定期預金で資産を守りつつ、ほかの余剰資金は投資もするなど、「あわせ技」を検討してみてもよいかもしれません。